“あそび”から始まる、
自律共創のまちづくり
地域課題は“可能性”。
第1期ミライ構想カレッジを通して、私たちが体感したのは地域課題が持つ豊かな可能性でした。課題があるからこそ、新たな可能性を“そうぞう”することができる。そして、課題に溢れるローカルこそが、クリエイティブな発想を生み、形にできるチャンスにも溢れている。地域に対する私たちのまなざしも、そのように変わっていきました。
“消費者”から“生産者”へ。
そうやって、課題に向き合い、新たな可能性を楽しくそうぞうしていくうちに、私たちは価値を享受する「消費者」ではなく、新たな価値を生み出す「生産者」になっていました。それぞれが、望む暮らし、居場所、仕事につながるマイプロジェクトを楽しんで創っていきながら、自律した個人が相互に協働しあっていくことで、生き心地の良いまちが自然と共創されていく。そんなプロセスこそが、本当の意味で持続可能なまちづくりと呼べるのかもしれません。
まちにもっと“あそび”を。
人口1万人の町に約100万人の観光客が訪れ、まちづくりの成功事例として知られる小布施町も、最初は本気の「まちあそび」から始まりました。「自分たちが住んでいて、楽しい町をつくる」ことを合言葉に、数々のプロジェクトを生み出し続けた結果、まちづくりの先進地と呼ばれるようになったのです。第2期は、そんな小布施マインドにならい、新たな“プレイヤー”を募集します。あなたは町をフィールドに、どんな楽しいミライを構想をしますか?
人口1万人の町を
「キャンパス」に、
学び、語らい、試みる。
少子高齢化、都市一極集中と地方の過疎化、経済格差の拡大、気候変動に伴う災害の増加ー。
世界的に見ても“課題先進国”と言われる日本の中で、私たちはどのように生きていきたいんだろう。悲観的な未来予測があふれる一方で、見方を変えれば、山積している課題の数だけ、これまでにない新たなアイデアを生み出すチャンスに恵まれているとも言えるのではないでしょうか。未来がいまの積み重ねの先にあるのなら、ほしい未来は今ここから想像/創造することができるはず。
住民参加型のまちづくりで知られる人口1万人のまち・長野県小布施町には、長年にわたって住民一人ひとりの欲しいミライを自分たちの手で形にしてきたまちづくりの歴史があります。
そんな小布施町をフィールドに、東京大学とNTT東日本、そして次世代の人材とともに、来るべき2050年の日本社会のミライを構想・創造していくミライ構想型のカレッジが2024年に“開校”しました。

「ミライ構想カレッジ
in 小布施」の取り組み
ミライ構想カレッジでは、実際のまちをフィールドとして、理想のミライ社会のあり方を構想し、実装に挑戦します。そのために、多種多様な専門家・実践者を招いて、ミライを構想していく上でのインスピレーションを得る「レクチャー」、町をフィールドにアイデアのプロトタイプを通じて事業化を目指す「ラボ」、カレッジ全体で創発された知見やミライビジョンを統合し、私たちが欲しい2050年をグランドデザインとしてまとめていく「カンファレンス」の3つに取り組んでいきます。

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レクチャー講義・着想
多様な専門家から日本や世界の現状、ソーシャルイノベーションの先行事例などを学びます。自分の扱うテーマと異なる分野の知見を深め、ラボ(実験・実践)での構想や実験の視野を広げます。
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ラボ実験・実践
小布施町を舞台に小規模自治体が直面する課題に向き合い、小布施から日本、世界へとソーシャルイノベーションのモデルを構想・実験(仮説検証)・実装を目指します。
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カンファレンス対話・構想
ラボやレクチャーで見えてくる課題・学びを持ち寄り持続可能な社会について対話を深め、ミライの社会のあるべき姿とそのために私たちに出来ることを明らかにします。

3つのテーマ
「経済」「環境」「共同体」の3つの切り口から、2050年のミライを具体的に構想し、カタチにします。

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1経済
「観光客」じゃもったいない。
地域の事業とつながり、町のミライを共に描く「共創人口」って?毎年100万人が訪れる小布施。町を訪れた人がただ観光して帰ってしまうのはもったいない。もっと地域の魅力にふれ、関わりたくなるような仕組みがあったら—そこで注目したのが、町の風景や暮らしを支える「農」の存在でした。自然や作物にふれる時間の中には、訪問者と地域の人がさまざまな形で関われる余白が広がっています。そこには、おもしろいことを一緒にやってみたくなるような、Playfulな関係性が生まれていくかもしれません。また、そうした関係性が、観光客をこえた「共創人口」という新たな関わりしろを築くかもしれません。地域経済の未来を、必要なところにそっと手を差し伸べるような“まごの手”のようなアイデアで支えていく。そんな、新しい経済の仕組みを、一緒に“そうぞう(想像 / 創造)”してみませんか?
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2環境
世界のモデルとなりうる、未来の循環・再生型ライフスタイルを「体験」と「拠点」からそうぞうする
世界中から資源を集め、大量に生産・消費することで発展する「リニアエコノミー」から、限りある自然からの恵みをそれぞれの地域の中で巡らせていく、いわゆる「サーキュラーエコノミー」や、その先にある自然再生型((=リジェネラティブ))の暮らしへのシフトが求められています。そして、循環・再生的な生き方のヒントは未来だけではなく、自然と調和し、ともに発展してきた過去の日本の里山的暮らしの中にも豊かに息づいていると私たちは考えています。では、今日において、生きるために欠かせない食や農、エネルギーなどをふたたび地域の中で巡らせながら、その豊かさを愉しく享受できるようなライフスタイルを私たちはどのように創っていくことができるでしょうか? 暮らしも豊かさも地域の中で「共給共足」していく、これからのモデルとなる「体験」と「拠点」をみんなで想像・創造していきます。
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3共同体
「面倒くさい」から「楽しい!」へ ワクワクが巡る自律共創なコミュニティのつくり方
技術の進歩で便利になった反面、人とのつながりが薄くなり、物流や福祉などの社会インフラにひずみが生じている現代。合理性を追求した「大きな仕組み」が転換点を迎えるなか、地域に根差した「小さな仕組み」の重要性が増しています。
小布施では、住民が自ら政策提案できる仕組みや、生活の困りごとを支え合う活動が展開されています。こうした住民主体の取組みは、想いのある人たちによって進められてきた一方で、「意識が高い」「面倒くさい」と敬遠され、担い手が広がらないといった課題にも直面しています。
誰かがつくった仕組みに従うよりも、自分たちで仕組みをデザインできたほうが、のびのび楽しく暮らせるはず。「自分のまちは自分でつくる」。そんな想いを引き出す、共助・共創のあり方を探ります。
目指す社会のあり方
「経済」「環境」「共同体」の3つの要素は、社会を構築する基盤であり、これら3つの持続可能性が、社会のありたい姿を実現する鍵となるのではないかと考えています。「ミライ構想カレッジ in 小布施」では、3つの要素を踏まえたミライの社会を構想し、小布施町というフィールドで実践に取り組みます。

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経済
モノやサービスを生産・消費する事で我々の生活は成り立っています。
価値あるものに適正な対価が支払われることで、我々の暮らしが豊かになり、ミライへの再投資も可能となります。 -
環境
生物は地球上に存在する上で、相互に影響を与えています。限りある資源を有効活用し、人間の活動による地球環境への悪影響を最小限に抑えることで、ミライの生物・人間が安心して暮らしていく事が可能になります。
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共同体
人と人とのコミュニケーションによって、協働が生まれ、新たなアイディアが創出されます。人と人との多様な「つながり」によって、ミライに向けて、地域全体での発展や課題解決に取り組む事が可能となります。

運営体制について
異なる視点から「まちづくり」に取り組んできた3者がタッグを組み、2050年の社会のあり方を考えます。

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長野県北部に位置する人口1.1万人の町。「まちづくりの奇跡」とも呼ばれ、住民・企業・行政が協働し対話を通じて赴きある空間づくりを実現した「町並み修景事業」や、全国から若者が集い地域を舞台に様々なテーマで未来の社会を構想した「小布施若者会議」等の取組みで知られる。
近年は「環境防災先進都市」を目指し、再生可能エネルギーの利活用や資源循環率の向上に取り組んでいる。 -
東京大学まちづくり研究室では、全国の自治体を舞台に、コミュニティや「まち」の再生をめざした、デザイン、プランニングそしてマネジメントの、方法論や手法、それらを支える基礎理論について、さまざまなアプローチから探求し、実際のコミュニティ再生プロジェクトやまちづくりに応用する。
2014年度より小布施町での地域調査および政策提言に取り組んでおり、2016年にはまちづくりに向けた協働の場「東大先端研・小布施町コミュニティ・ラボ」を設立。 -
これまで光ファイバーを利用したブロードバンドアクセスサービスを提供する等、情報通信事業者として、高品質で安定した通信インフラの提供に加え、昨今では身近なICT企業として地域の課題解決や価値創造に取り組んできた。そこで培ってきた「地域の目線」、デジタル技術や地域実践力をもって、地域の魅力と活力を引き出し、そのまち「ならでは」の独自の資源、特色や強みを活かした循環型・持続可能な「キラリとひかる」まちのミライのありたい姿を描き、地域の皆さまとともにミライを創りあげるまちづくりに取り組んでいる。
小布施町においては、岩松院本堂天井絵「鳳凰図」の高精細デジタル化や北斎館所蔵作品の高精細デジタル化に取り組んでおりに取り組んでおり、技術を用いて地域の魅力を引き出す活動を実施。
日程
2025年6月中旬から10月中旬までの約4か月間のプログラム。小布施町で3回の合宿と東京で1回のSessionを中心に、オンラインも活用してプログラムを実施します。(Sessionの合間にはチームごとのオンラインミーティングなどを行い、アイデアをブラッシュアップしていきます)

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Session 1
現場を知る
小布施町Day0(事前オンライン)2025年6月11日(水)18:00-19:30Day12025年6月14日(土)10:00-18:00Day22025年6月15日(日)10:00-17:00町のフィールドワークや地城プレイヤーの話を通じて、小布施町の魅力や課題を深く理解する。また参加者同士の自己紹介・相互理解を行い、チームを結成する。
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Session 2
未来を描く
東京Day12025年8月2日(土)10:00-18:00Day22025年8月3日(日)9:00-17:00先端技術の話題提供やアカデミックな視点を取り入れながら、2050年の未来を想像するワークを実施。そのうえで、自分たちのテーマに紐づけて「どんな一歩目の実装ができるか」を検討し、具体的な実証プランの仮説を立てる。
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Session 3
仮説を深める
小布施町Day12025年8月23日(土)10:00-18:00Day22025年8月24日(日)9:00-17:00小施町や専門家からフィードバックを受けつつ、実証に向けたプランをブラッシュアップ。フィールドを活用しながらさらにリサーチを重ね、横断的な視点を取り入れる。
実装に向けた仮説検証期間 -
Session 4
成果を共有し、
次のアクションへ小布施町Day12025年10月12日(目)10:00-18:00Day22025年10月13日(月)9:00-17:00これまでの学びや実証の結果を発表し、他チームや町のプレイヤーを巻き込みながら、未来像をより具体的に描き出す。プログラム終了後も意欲のあるメンバーは小布施での継続的な活動につなげていく。

運営だより
募集要項
- 主催
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小布施町、東京大学、NTT東日本
- 企画運営
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一般社団法人小布施まちイノベーションHUB
- 募集人数
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15名(5名×3テーマ)
- 参加費
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30,000円 / 学生10,000円(税込)
※現地での交流プログラム(交流会×2回)や、各チームのアイデアプロトタイプや実装のための活動費として活用する予定です。
※小布施来町時の宿泊費・交通費は各自ご負担ください。
※学生料金は高校・大学・専修・各種学校の学生・生徒の方が対象となります。
※本参加費は「ミライ構想カレッジ in 小布施」の企画運営者が管理を実施し、お支払い方法は別途お伝えします。 - 応募条件
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ZoomやSlack等のオンラインツールを使用できる方
※オンラインツールの使用サポートは事務局では行いません。
プログラムの全日程に参加頂ける方
上記に加え、週1~2時間程度のチームミーティングに参加できる方
原則2025年6月11日時点で18歳以上の方
東京大学が行う「共創まちづくり」に関する調査・研究にご協力いただく場合があります。
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- 募集締め切り
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2025年5月27日(火)
- 応募方法
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本ウェブサイト上の「プレエントリーはこちら」のボタンから必要事項をご登録ください。
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登録が完了次第、ご登録いただいたメールアドレス宛てに応募フォームのURLを自動送信いたします。
応募フォームの記入・送信をもって応募完了となります。
- お問い合わせ
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以下のメールアドレスにご連絡ください。
応募はこちらから
よくあるご質問
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Q1
定員はありますか?
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A1
テーマごとに5名程度の定員を設けております。
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Q2
公募での選考基準は何ですか?
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A2
応募内容から、各テーマに対する興味関心やコミットメント、想いを運営事務局にて総合的に判断し、ご参加いただく方を決定します。選考結果についての問い合わせは受けかねますので、あらかじめご了承ください。
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Q3
応募内容の取り扱いはどうなりますか?
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A3
ご応募の際に提出いただいた内容については、小布施町のプライバシーポリシーに則り、本プログラム及び小布施町の関係人口創出施策の範囲内で小布施町、国立大学法人東京大学、及び東日本電信電話株式会社に限り使用いたします。
https://www.town.obuse.nagano.jp/privacypolicy.html -
Q4
参加費はどのように支払いますか?
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A4
参加費のお支払い方法については、参加が確定した方に別途ご案内いたします。
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Q5
参加費支払い後のキャンセル料は発生しますか?
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A5
参加費お支払い後にプログラムへの参加をキャンセルされた場合及び全日程不参加となった場合には返金に応じかねますので、あらかじめご了承ください。
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Q6
プログラムにオンラインで参加することは可能ですか?
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A6
Session 1~4の各日程については、対面での参加が必須です。オンラインでの参加はできません。
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Q7
小布施来町時の交通手段、宿泊先は各自手配ですか?
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A7
小布施で開催されるプログラムに参加される際は、小布施までの交通手段・宿泊先は各自でご手配・ご負担をお願いいたします。参加が確定した方には、町内の宿泊施設に関する情報をご案内いたします。
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Q8
小布施町民や小布施町出身者も参加できますか?
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A8
はい、小布施町民や小布施町出身の方のご参加も大歓迎です。奮ってご応募ください。